上手な負けかた [From Tokyo]
地を這う日々が続いています。
昨日は肩が凝りすぎて吐きそうになり
駅ビルの「てもみん」へ。
マッサージ師さんは体を触って
「パソコンですね。左に置いてますね」と鋭いひとこと。
体はなーんでも知っている。
さて。今日は夕方、渋谷パルコ劇場で
劇団本谷有希子『幸せ最高ありがとうマジで』。
経営難の新聞屋を舞台に、
いつも通り「ふつうな顔をした、許しがたいほど鈍感で
しかしそれゆえしぶとく、底知れぬ人びと」と、
「鋭敏ではあるが才能があるわけでも強いわけでもなく、
それでいてプライドが高いために負けを認められないアタシ」の衝突を描く。
本谷さんの作品はいつも、
「夢は見るよりも、破れたあとの方が、ずいぶん長い」ということを
遠慮なく教えてくれると思うのだけれど、
劇の構成の上でも、いったん仮のクライマックスを迎えたあと、
最後のオチにたどりつくまでの道筋が、やや長いのです。
つまりキモはあくまでアンチクライマックスにあるように見えるわけですが、
今回は残念ながら、
主役の永作博美がかわいすぎて、崇高に輝く瞬間すらあり、
「うまく負ける」ことができてなかったように思います。
だって全然イタイ人じゃないんだもの。
いずれにしても作品はやっぱり巧みで、
頭のなかがマッサージされた。ような、気がする。
タグ:演劇
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